身体に危機が迫ったときや、人間関係や仕事などでストレスを受けたときに、体内でストレスホルモンが分泌されます。ストレスホルモンの分泌は、防衛反応であるためそれ自体は正常であるが、過剰な分泌は身体的にも、精神的にも不調の原因となります。
そんなストレスホルモンとは具体的になんなのか、どういった作用があるのでしょうか。
この記事では、ストレスに関わるホルモンとはなにか徹底解説いたします。?ストレスとは
ストレスとは?
ストレスと聞くと、人間関係や多忙などネガティブなことが原因となると考えている方が多いと思います。しかし、嬉しいことや楽しいこともストレスの原因となりえます。
ストレスの原因とは
もそもストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。外部からの刺激には、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的な要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因があります。
つまり、日常の中で起こる様々な変化が、ストレスの原因になるのです。たとえば、進学や就職、結婚、出産といった喜ばしい出来事でも、変化であり刺激ですから、実はストレスの原因になります。
ストレスのサインは?
ストレスを受けている状態では、眠れない、お腹が痛くなる、怒りっぽくなるなど、何かしらストレスサインが出ているものです。
出典:厚生労働省「知ることから始めよう。みんなのメンタルヘルス」
ホルモンとは?
ホルモンとは?
ホルモンはからだのさまざまなはたらきを調節する化学物質です。からだの外側・内側で環境の変化が起きても、からだのはたらきを常に同じになるように保つはたらきをしています。
ホルモンが生成される場所
ホルモンは身体の中の内分泌腺で作られます。内分泌腺には、脳下垂体、甲状腺、副甲状腺、副じん、すい臓、生殖腺などがあり、それぞれに違った作用のホルモンが作られています。現在、ホルモンとして確認されているものは100種類ほどあります。
ストレスホルモンの種類
ストレスに関連する主要なホルモンをご紹介いたします。
- コルチゾール
- アドレナリン
- ノルアドレナリン
- オキシトシン
- ドーパミン
- セロトニン
コルチゾール
コルチゾールとは?
副腎皮質から分泌されるホルモンの一種です。心身がストレスを受けると、急激に分泌が増えることから、「ストレスホルモン」とも呼ばれています。
分泌されたコルチゾールが高濃度になると、脳のネガティブフィードバック機構によって分泌量が抑制されます。しかし、過剰なストレスでネガティブフィードバック機構が正常に機能しないと、コルチゾールの濃度が慢性的に高くなり、うつ病や不眠症、生活習慣病などのストレス関連疾患の一因となることが研究結果から分かっています。
ストレスによって、一時的にコルチゾールの分泌量が増加する分には問題ありません。しかし、長期的にストレスを感じると脳の海馬が萎縮することが分かっています。
コルチゾールの役割とは?
- ・抗ストレス作用
- 脈拍や血圧を上昇させて、脳を覚醒させます。
- ・糖新生
- 肝臓でブドウ糖生成させ、血糖値を上昇させます。
- ・脂肪分解
- 脂肪を分解してエネルギー供給を促します。
- ・抗炎症作用・免疫抑制作用
- 炎症や免疫機能を抑える作用をもたらします。
コルチゾールの働きを正常にするには?
ビタミンCを補給しよう。コルチゾールの合成にはビタミンCが必要です。そのため、ストレスを感じるとビタミンCが消費されるため、しっかりビタミンCを補給しましょう。
また、睡眠が重要です。睡眠中はコルチゾールの分泌量が抑えられます。しっかり睡眠を取ることで、副腎が正常に機能するように休ませてあげましょう。
アドレナリン
アドレナリンとは?
アドレナリンは副腎髄質から分泌されます。怒りの感情によってアドレナリンの分泌が盛んになるため、「怒りのホルモン」とも呼ばれています。
ボクシングなどでは、アドレナリンが分泌され、興奮状態となるため痛みを感じにくいと言われています。
アドレナリンの役割
- 交感神経を刺激する
- 血糖値を上昇させる
- 血圧・脈拍を上昇させる
自律神経の交感神経が刺激されることによって、心拍数や血圧が上昇して、身体が興奮した緊張状態になります。
また、アドレナリンは血中のグリコーゲンを分解して、血糖値を上昇させます。糖分は脳が働く上で栄養となります。そのため、血糖値が上昇するとのうが覚醒し、集中力が高まります。
しかし、アドレナリンが過剰に分泌されるとイライラしたり、不安を感じやすくなります。些細なことにもイライラするなど、短気になってしまいます。
ノルアドレナリン
ノルアドレナリンとは?
アドレナリンは、交感神経の情報伝達物質として分泌されたり、副腎髄質からホルモンとして分泌されます。こちらも「怒りのホルモン」と呼ばれています。
ノルアドレナリンの役割
ノルアドレナリンの役割は、基本的にアドレナリンと同じです。ルアドレナリンとアドレナリンの最も大きな違いは、脳への精神的な作用の有無です。
ノルアドレナリンは、脳内でも神経伝達物質として分泌されるため、恐怖や怒り、不安などの精神的な作用にかかわっています。
オキシトシン
オキシトシンとは?
オキシトシン」は、脳の視床下部で合成され、下垂体後葉に運ばれて放出されます。
「幸せホルモン」「愛情ホルモン」「絆ホルモン」などとも呼ばれます。
オキシトシンの役割
- 抗ストレス・抗うつ作用
- 周囲への愛着を深める
- 情緒が安定化する
オキシトシンを分泌させるためには?
オキシトシンは母子がスキンシップをとることで、双方で分泌されます。スキンシップをしてから10分くらいで分泌されるそうです。
母親が赤ん坊を抱っこしたり、ペットを触ったりするときに分泌が盛んになります。
赤ちゃんこそオキシトシンを分泌させるべき!?
実は、赤ちゃんの時のオキシトシン分泌量が、将来のオキシトシン分泌量に影響すると言われています。
将来、オキシトシンが出やすい脳になることで、ストレス耐性が出来たり、周囲の人への親近感が持てるなど、人間関係を豊かに出来ます。
ドーパミン
ドーパミンとは?
ドーパミンは、中枢神経系に存在する神経伝達物質で、アドレナリン、ノルアドレナリンの前駆体でもあります。脳の中にはおよそ1兆個の神経細胞がありますが、そのなかにはドーパミンにしか反応しない神経も存在します。
ドーパミン作動神経は主に快感を得たときに活躍する神経です。逆を言えば、ドーパミンを分泌させることで、快楽を得ることが出来ます。
そのため、ドーパミンによって依存症を引き起こすこともあります。
ドーパミンの役割
- 快感や幸福感を感じる
- 集中力が高まる
- ポジティブ思考になる
ドーパミンを増やすには?
ドーパミンは、新しい刺激、初めての感動、幸福への期待感などを感じたときに分泌されるそうです。
- カフェインを含むコーヒーや、カレーなどの激辛料理
- ドーパミンの材料であるタンパク質を取る
- ドーパミン合成に必要なビタミンC、ビタミンB6を取る
- 適度な運動をする
- 新しい経験を体験する
セロトニン
セロトニンとは?
必須アミノ酸トリプトファンから生合成される脳内の神経伝達物質のひとつです。視床下部や大脳基底核・延髄の縫線核などに高濃度に分布しています。
他の神経伝達物質である、喜びや快楽を関係するドパミン、恐怖や驚きに関係するノルアドレナリンなどを抑制して、脳の興奮を鎮静させます。
つまり、心身をリラックスさせ、幸福感を感じやすくなります。そのため「幸せホルモン」とも呼ばれています。
セロトニンの役割
- 脳の覚醒を調整する
- ポジティブ思考で意欲的にする
- 自律神経のバランスを調整
- 痛みを軽減する
セロトニンを増やすためには?
- 日光を浴びる
- 適度な運動をする
- 十分な睡眠をとる
- 感情を動かし、脳を活動させる
- 音楽を聴く
- トリプトファンを含む食品を食べる
原料となるトリプトファンが豊富な食品は、「乳製品、大豆製品、バナナ、ピーナッツ、卵」などがあげられます。
ストレスを解消するには?
ストレスを解消するための、方法を簡単にまとめてみました。
- 適度な運動をする
- 十分な睡眠をとる
- バランスの取れた食事をとる
- 朝食をしっかり、夕食を抑える
- ペットを飼う
- アロマ等によるリラックス
- サプリメントを摂取する
サプリメントに関して、最近はCBDという成分が注目されています。CBDはカンナビジオールといわれ、麻(大麻草)の茎や種子から抽出される厚生労働省公認の安全な健康成分です。
精神へ与える作用(精神作用)や中毒性がないことで知られており、医療や健康・美容業界から注目を集める成分です。
CBDを摂取することで、「ストレス軽減、不眠症の緩和、肌トラブルの改善」など様々な効果が期待されます。
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