近年CBDカフェやCBDグミなどCBDが含まれている製品を目にする機会が増えてきたのではないでしょうか。このCBDは大麻草の成熟した茎や種子から抽出される成分です。このCBDは製造方法によって成分や効果が異なります。そこで、この記事では、どのようにCBDが製造されているのかを解説します。
この記事を読むことで、
・より安全性の高い製品を選ぶための知識
・有効成分が抽出方法によって失われていない製品を選ぶこと
が可能になります。
CBDの3つのカテゴリ−
CBD原料は製造方法によって「アイソレート」「ブロードスペクトラム」「フルスペクトラム」の3種類に分類されます。簡単に3つの種類の説明をいたします。
①アイソレート(isolate隔離)は純度99%のCBD成分で、CBD以外の成分は含まれていません。
②ブロードスペクトラム(broad spectrum広範囲)は、CBD以外に、他のカンナビノイド成分やミネラルなどの成分を含んでいます。しかし、THCは含まれていません。
③フルスペクトラム(full spectrum:全範囲)は、麻に含まれる全ての成分を含んだCBD製品です。THC成分も含まれています。各国の規制に従って、THC許容含有量以下(アメリカだと0.3%以下)であれば製品の販売が可能です。
アイソレート | ブロードスペクトラム | フルスペクトラム | |
CBD含有率 | 99.9% | 60〜95% | 60〜95% |
他物質の含有 | なし | あり | あり |
THC含有 | なし | なし | あり(規定量) |
アントラージュ効果 | なし | あり | あり |
CBDの抽出方法
CBDの製造方法の簡単な流れは以下になります。
- 成分の抽出
- 不純物の除去
- 蒸留
- 再結晶
1.成分の抽出
化学溶剤を使って、大麻草や工業用ヘンプなど原料から成分を溶出させます。
主な化学的な抽出方法は次の3つになります。
アルコール抽出
大掛かりな危機界を必要としない、アルコール抽出は、コストを抑えられるため世界中の多くのメーカーで用いられていました。原料となる大麻草を細かくしたあとに、エタノールやイソプロピルアルコールなどのアルコールを主成分として溶剤に漬けます。
次第に、大麻草に含まれている成分が溶液に溶け込んで来ます。十分に抽出を行ったあとに加熱をすることで、アルコールを飛ばすことで、欲しい成分のみを取り出すことができます。
超臨界CO2抽出
CO2は人体に無害であることと、アルコール抽出ではアルコールを飛ばしきれず残留してしまうのに対して、CO2抽出では残留がないため高品質なCBD製品を作る際に好まれます。
超臨界CO2抽出ではCO2の圧力と温度を変えることで、液化したCO2への溶解度が化合物ごとに変化するため抽出物における化合物の量を調節できます。酸化炭素が液体化するポイントとなる温度が31度前後ですので、抽出工程で高温にする必要がなく、熱に弱い植物性の成分を壊す心配もありません。
しかし、非常に高い圧力環境を作り出す必要があるため、設備投資が大きく、比較的規模の大きい製造会社でしか導入が難しいです。ただ、安全性が高く求められていることからこの抽出方法が主流になっています。
ブタン・プロパン抽出
他の溶剤よりはるかに安価で取引されているので、製造コストを抑えるのにはうってつけです。しかし、抽出後に蒸留する場合、ブタンやプロパンが最終製品に残存するということはほぼあり得ないですが、残留していた場合に人体にあたえる有毒性が高いです。
また、ブタン・プロパンなどは可燃性があり、火災の原因になりやすい物質です。さらに、抽出に用いる際には一定の圧力をかけることになります。したがって慎重な管理が必要なため、この抽出方法は、近年ではあまりメジャーではありません。
2.不純物の除去
このプロセスは純度の高いCBDを作製するためには重要です。大麻草には、植物ワックス、脂肪、脂質、クロロフィルなどの、蒸留の過程の前に除去すべき不純物が多く存在しています。これらの物質が残っていると、時間経過とともにCBDの化学組成を変化させて、質が低下して行きます。
不純物の除去は、抽出されたオイルにエタノールなどの特殊な試薬を混合して、氷点下の温度を24時間維持することで、不純物が個体に凝固します。これにより取り出したい混合物(Miscella)と不純物を分離させます。それをフィルターにより濾過することで不純物を完全に除去します。
この過程を繰り返すことで、純度の高いCBDを精製していきます。
3.蒸留
蒸留とは物質の沸点の違いを利用して混合物から目的の物質を取り出す方法です。
この処理を施すことで、よりCBDの純度を高めていきます。ただし、この処理を施す前に脱炭酸の処理を行います。
脱炭酸処理
CBDA(カンナビオール酸)は、大麻草やヘンプに豊富に含まれた化合物で、CBDの前駆体です。図のようにCBDAを加熱することでCBDと二酸化炭素が生成されます。なるべく多くのCBDを製造するために、蒸留をする前に、脱炭素処理を行うことで、CBDの純度を高めておきます。
この段階で生成された混合物がCBDのフルスペクトラムと考えられます。
CBDとCBDAの違いを詳しく解説している記事はこちらです。
減圧蒸留
蒸留には減圧蒸留という処理方法が、多くで採用されています。減圧蒸留とはその名の通り気圧を下げて蒸留を行うことです。減圧をして真空状態を作り出すこともあります。この減圧蒸留を行うべきメリットは2つあります。
1つ目の理由は、減圧することで、物質の沸点が下がるため、蒸留までに必要な加熱温度を下げることができます。カンナビノイドの沸点は高いため減圧により加熱温度を下げることで、過加熱による燃焼や損失を防ぐことができます。
2つ目の理由は、真空を作り出すことで、無酸素状態で加熱による蒸留が行なえることです。酸素が存在する環境で加熱すると成分の酸化が促進されて成分の分解や変形が起こってしまいます。
この段階で取り出せるCBDのオイルが、CBDのブロードスペクトルに当たると考えられます。
4.再結晶
再結晶とは、粗結晶から不純物を取り除き、より質の高い結晶を取り出す処理のことです。
蒸留に精製した混合物を溶媒に溶かし、温度などによる目的化合物と不純物の溶解度の差を利用することや、溶液の濃縮、他の溶媒の添加などによって溶解度を減少させるなどの操作を行い、最終的に目的とする純度の高いCBDの結晶を取り出します。
CBDのアイソレートは、一般的には、蒸留して得た試料にペンタンやヘキサンのような溶剤を加えて溶かし、その溶液を冷却することで結晶を析出させ、それを濾過および洗浄、乾燥することによって回収していると考えられます。
ヘキサンはペンタンよりも残存しやすく危険なのでペンタンを使用している方が品質が高いです。
この処理を繰り返して純度の高いCBDを精製します。これにより得られたCBDはアイソレートと考えられます。
CBDは大麻草から抽出された成分のうち、リラックス効果や鎮静効果が認められたもので、現在は医療業界から注目を集めています。
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